2019.08.18
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こんにちは。
ヒルトン梅田店の岡です。
GLASS FACTORYのHP内にレンズモニターのコンテンツを見てご来店頂く事が多いので
『乱視の影響によるランニング時のトレイル(足元)の視界のブレ・ぼやけの改善について』
『モニター菊川様のその後のレポートについて』
菊川 光徳(きくがわ みつのり)様
PROFILE
株式会社ソトアソ
O.B.S KISAICHI(アウトドアベースソトアソ きさいち) オーナー
スポーツジムインストラクターを経てマリンスポーツ業界に18年携わる。
海遊びだけでなく、外遊び全般を提案できる「SOTOASO(ソトアソ)」を立ち上げ、トレイルランにハマり、その奥深さに魅了される。FUNトレイルランで山を自分の脚で楽しみ、海をSUP (パドルボード)で愉しむ、ONもOFFも“外遊び”をライフスタイルにしています。
乱視の影響によるランニング時のトレイル(足元)の視界のブレ・ぼやけの改善について
菊川様は乱視が強く、裸眼で車を運転した時には、前の車のヘッドライトが手術室の電気のように9個くらいに見える事もあったそうです。
ランニング時はコンタクトレンズを装用して走っていたそうですが、それでも視界の不鮮明さを感じており、ここ数年はトレランやランニング中に転倒して怪我をしてしまうことも多くなってきたとのことでした。
お話を聞いて、強い乱視の方特有のコンタクトでの乱視の矯正不足を疑いました。視界の不鮮明さにより、遠近感や立体感が感じにくくなっている可能性があると感じました。
世界最先端の光学機器ZEISS i.profiler®plusを使用し、菊川様の眼の状態を測定し矯正度数を確定し、その上で眼の状態のお話をさせていただきました。
グラスファクトリー全店で導入している世界最先端の光学機器であるZEISS i.profiler®plusでの波面収差解析画像を基に眼の状態を確認させて頂きました。
昼夜の瞳孔サイズによって収差(不正な乱視)の影響の受け方が変わるのですが、これは角膜形状により個人差があり、昼夜の見え方の差が大きい人もいれば、差が少ない人もおられます。
菊川様の場合はどうでしょうか?
昼間の瞳孔サイズが3.00㎜の状態の時です。
左右共に色ムラがある事から昼間(明るい環境)でも多少の波面収差による影響が出ているのが分かります。
次に夜間の瞳孔サイズが5.00㎜の状態の時です。
左右共に色むらが濃くなり、波面収差による影響が大きくなっている事がわかります。
人の目は、明るさの違いから昼と夜とで瞳孔が収縮したり開いたりします。
夜は暗く光の量が少ないので光を集めるために瞳孔が開くのですが、瞳孔が開くと不正な乱視の影響を受けやすい眼の状態になります。
昼間に1.0~1.2の視力が出る眼鏡を掛けていても、個人差はありますが夜間は0.8~0.9程度の視力しか出ていない場合があります。
この瞳孔が開いた状態で不正な乱視の影響を受けると、車の運転中など対向車のヘッドライトや信号、外灯の光がにじんだり、伸びたりしてすごく見えにくい状態になります。
菊川様の「前の車のヘッドライトが手術室の電気のように9個くらいに見える」というのも、瞳孔サイズが大きくなる夜には乱視の影響がより大きくなっている事を示しています。
また、雨の日や曇りの日の薄暗い環境では瞳孔サイズが安定せず距離感がつかみにくいという状況になるのですが、日本のトレイルでは木々が生い茂っていて薄暗い所が多く、昼間でも目の状態は曇りの日に似た状態になっている時間が長くなり、瞳孔サイズが安定せず、距離感を感じにくかったり、にじみやぼやけを感じたままの目は疲れやすく、疲れの影響で更に見えにくくなるという悪循環に陥りやすくなります。
これらの見え方は従来の眼鏡処方では改善できませんが、グラスファクトリーでは、ZEISS i.Scription®という次世代の視覚矯正により、昼夜両方の瞳孔サイズと角膜の状態をお測りすることで、明るい環境から暗い環境まで安定的に不正な乱視の影響を極力抑えた度数をお測りし製作する事が出来ます。
その結果がこちらになります。
真ん中の「自覚度数」というのが、従来通りの0.25単位での完全矯正値で、視力検査において菊川様の視力が一番出る状態です。
一番下の度数が今回菊川様にお作りさせて頂いた眼鏡の度数で、前述した角膜形状と昼夜の瞳孔サイズを考慮し、近視度数と乱視度数が共に0.01単位の度数に微調整最適化されており、完全矯正された自覚度数の見え方の質を更に向上させ、薄暗い環境や夜においても安定的に視力が出やすいように改善しております。
これで一般的な眼鏡をお作りする時の度数は決定し、きちんした度数を合わせた眼鏡の見え方も確認して頂き、これまでの視界との鮮明度の違いも実感して頂きました。
次にこのお度数の眼鏡を楽に掛けて頂く為に、人間の本来持っている視機能である、両眼視機能の検査をさせて頂きました。
人の眼は左右2つの眼で別々の角度から見て、その左右の眼で見た情報が脳で一つに融合され対象物の立体感、遠近感、距離感などを判断します。
その左右の視線(眼位)にズレがあると、正確な立体感、遠近感、距離感の判断が難しくなります。
自覚症状としては乱視の症状と似ているのですが、眼位のズレによる症状と合わさっている可能性が無いかを調べさせて頂きました。
測定の結果、菊川様は外斜位である事が分かりました。
右眼で見たものと左眼で見た物を脳で融合する際に、余分な眼の筋力を使っている可能性がありましたので、プリズムレンズという特殊なレンズを使用し、眼位のズレを矯正してもう一度見え方の確認をすると、更に鮮明度が上がったと実感して頂けました。
左右の眼で見た情報が通常の筋力できっちりと融合される事で、無意識レベルの緊張がほぐれて、より楽にクリアな視界を得る事が出来るようになったと思われます。
今回はこのプリズム矯正も入れて眼鏡の度数を決定しお作りさせていただきました。
「視界の鮮明度と明るさが変わり、トレイル上の起伏や障害物がこれまでより早い時点でしっかりと確認できるのでコース取りに迷いがなく、荒れたトレイルでも不安なく気持ちよく走る事ができますね。」
「あまりにも立体感と距離感がはっきりする事で、掛け始めはこれまでとのギャップで走っていると地面が迫ってくるような感じで、下りが逆に怖く感じていました。
でもこのクリア感に慣れてからは下りも快適に走る事が出来るようになりました。
それと何より今まで見ていた景色は何だったんだ?てくらい山から見る景色がキレイに見えます。
ちゃんと見えるメガネを掛ける事で、山に行くのが更に楽しくなりましたね~。自分自身は元々FUN RUNなのでレースの結果等に拘る事はないけど、見えやすくなる事で単純にあらゆるアクティビティの楽しさがぐんっと上がりますよね!
それと同時にこんなに見えてないと思ってなかったってショックもありますけど・・・(笑)」
トレラン用メガネのその後の調子をお伺いさせて頂きに行ってきました。
岡:「お作り頂いてから約1年近く経ちましたが、慣れるまでの感じや、慣れてからの率直な感想ってどんな感じですか?」
菊川:「お店で視力検査をして度数を合わせてもらった時から感じていたのですが、まずは何といってもめちゃくちゃよく見える!
ただこんなに見えるメガネやコンタクトを今までした事がなかったので、見えすぎて疲れるんじゃないか?という不安はありました。
でも、実際に使ってみて慣れるまでには・・・、2週間か3週間くらいかかったと思うのですが、あの頃は実際に走る時間がすごくあったわけでもないので、掛けて走った回数でいくと3回目か4回目くらいだったと思うのですが、それくらいにはほぼ違和感なく使えるようになりましたね。
最初のころは特にトレイルの下りで、見えすぎて地面が迫ってくるような感じがして怖く感じたこともありましたが、そこに慣れてからは足元もくっきり見えるので、薄暗いトレイルでもコース取りや足を置いていく場所にも迷いが無くなり走りやすくなった気がします。あと、景色が抜群に綺麗に見える事と色々な物の色が鮮やかに明るく見えるのでそこも驚きました。」
岡:「トレイルでの足元のくっきり感は、プリズムレンズによって菊川さんの眼位の補正をさせて頂いた事も良かったかと思います。人の眼は距離感を合わせるピント調節も対象物を追いかける眼の動きも、眼の周りの様々な筋肉の力で動かしています。
スポーツ時には競技によってその動きは様々な特徴がありますが、通常の視力以外に、動体視力が必要になります。
簡単に言うと「動くものを正確に視る力」ですね。
ランニング時は当然景色が動きますのでその動体視力も必要になるのですが、この動体視力に大きく関わるのが「眼位」です。
外見上では分からないレベルの眼位のズレがある人は意外と少なくありません。
そしてこの微妙な眼位のズレは「正確に素早く楽に視る」事に関して影響を及ぼします。
眼位にズレがある場合はそのズレと反対方向に目を動かすのに通常よりも強い筋力が必要になったり、時間がかかったりするため、くっきり感や立体感が出にくかったり、眼が疲れやすくなったりします。
そして疲れがでると通常の視力も出にくくなるといったように悪循環に陥りやすくなってしまいます。
トレイルランニングでは地面の起伏の激しい山の中を走りますので、比較的遠くまで見通しの良いロードを走っている時と違って、足元を見ている時間が多くなります。
当然、遠くの景色を見ている時よりも足元を見ている時の方が視界は速く動きますので、より正確な動体視力が必要になります。
今回お作りさせて頂いたメガネは、プリズムレンズで菊川さんの眼位の補正までさせて頂いておりますので、日常生活での見え方以上にシビアなスポーツ時の動体視力のアシスト効果で、トレイルでの足元のくっきり感をより感じて頂けたんではないかと思います。」
菊川:「コンタクトで走っている時にも「困ることはない」くらいに思っていましたが、一旦このメガネの見え方を覚えちゃうとやっぱりこの視界を求めちゃいますね。っていうか、こんなに見えてないと自分で分かっていなかったですね(笑)以前は、走っている時に限らず、転んで結構な大けがをする事もあったんですが、ひょっとしたら見えてなかったからですかね?(笑)」
岡:「断言はできませんが、可能性は大いにあると思いますよ。菊川さんの場合、「見えてない」っていう自覚はなかったみたいですが、実際にはあまり見えていなかったわけで、その視覚情報が正確でないと、それに反応する体の動きは当然変わってきますからね。」
菊川:「そういえば視力を測ってもらった時にも、「眼位のズレ」の話をしてもらったと思うけど、実際に使う前は正直その意味があんまり分かってなかったんですよ。
元々乱視が強くて見えすぎると疲れるっていう先入観もあって、今まではかなり緩めに度数を合わせたメガネばっかり使ってたんです。だから今回は出来上がるまでも心配でしたし、使い始めは多少の違和感もあったので、ちゃんと慣らせるかな?っていう不安もあったんですが意外とスムーズに慣らせたし、掛けて走っている時に疲れるような事もなく集中して走れてるのは、そこまで細かく測ってくれてたからなんですね。」
岡:「有難うございます。では、逆に困ることや不便に感じる事はありませんでしたか?」
菊川:「そうですね・・・。今回クリアレンズで作ったので、真夏に感じたのは、この見え方でサングラスもあったらなぁ・・・って感じですかねぇ。最近眩しさにも弱くなってきたようで・・・(笑)」
岡:「でも、トレイルって木陰とかで意外と薄暗いところが多くないですか?」
菊川:「そうなんですよね、暗いのも見えにくいのでサングラスにするにしてもあんまり真っ黒のレンズにすると余計に見えにくいのかな?とか思って躊躇してるというか、真剣に探してないというか・・・(笑)」
岡:「いや、真剣に探してくださいよ(笑)眩しさって凄く眼を疲れさせるので、我慢するのは良くないんです。視神経ってダイレクトに脳に繋がっているので「見えにくい」とか「目が疲れる」とか眼に関するストレスは脳にもダイレクトにストレスを与えちゃうんです。そして脳のストレスは著しくスタミナを消耗します。「一番カロリーを消費するのは難しい勉強をしている時」なんて言われることもある程ですからね。なので、眩しさ対策は絶対に怠ってはダメですよ。」
菊川:「すいません・・・(笑)」
岡:「僕自身も使ってて、お勧めのレンズがあるんです。ちょっとこれ見て頂いていいですか?」
菊川:「え?これ普通のクリアレンズですよね?」
岡:「そうなんです。室内や夜など紫外線のない所ではクリアのままなんですが・・・、ちょっとこの紫外線ライトを当ててみますね・・・。紫外線に反応してレンズに色が付きサングラスに変わっていくんです。」
菊川:「えーっ!何ですかこれっ?!手品みたいですね(笑)」
岡:「紫外線に反応してレンズカラーが変わる仕組みになっているので、紫外線量の多い快晴の時には濃くなりますし、曇りや雨の時には薄く色ずく程度、夜や室内ではクリアと、その時の環境に応じてレンズ濃度を調整してくれる「調光レンズ」っていうとても便利なレンズなんです。」
菊川:「あ、これ岡さんがいつも掛けてるやつもそうですか?」
岡:「そうです、僕はランニングの時はロードでもトレイルでも最近はいつもこのレンズがついたサングラスをしています。」
菊川:「実はちょっと気になってたんです。一緒に走ってるときに見るたびにレンズの色の濃さが違ってるので不思議に思ってたんです。ヘッドライトが必要なナイトトレイルの時は透明になってましたよね?紫外線に反応して濃さが変わってたんですね?」
岡:「この仕組みが、トレイルのように陽向と日影が刻々と変わる環境や、ランニングやバイクのように長時間のアクティビティーの時の天候の変化にも1本のサングラスで対応してくれるので、めちゃくちゃ便利なんです。
しかも最近の調光レンズは色づくときも退色するときも、その変化のスピードが従来の物に比べて早くなっているので、よりスポーツ向きになってきているので快適に使えます。」
菊川:「晴れた日の昼間だと色が濃くなっちゃって、木々が生い茂っている薄暗いトレイルだと見にくくないですか?」
岡:「その生い茂っている木々のおかげで紫外線も街中に比べると少なくなっているので、晴れていても真っ黒にはならないんですよ。クリアだと少し眩しいけど真っ黒だと暗くなりすぎて見えにくいっていう事がないように、絶妙な仕組みになっているんです。」
菊川:「最高じゃないですか!なんでもっと前に教えてくれないんですか?!(笑)」
岡:「すいません・・・(笑)、今回は完全矯正をベースにした精密度数とプリズムレンズにちゃんと慣れて頂けるか?という事も経過を確認しなければいけませんでしたので、まずはクリアレンズで使って頂きました。
でも、全く問題なさそうですのでこの調光レンズも自信をもっておススメ出来ますね。
カラーバリエーションも4色あって、ロード向きトレイル向き等、使用環境によってのおすすめカラーもありますし、夏だけでなく1年中おすすめのレンズですので、是非、検討してみてください。」
菊川:「これはめちゃくちゃ気になりますね~!」
岡:「前回に続いて、今回も貴重な使用感をお伝え頂きありがとうございました。」
Staff profile
グラスファクトリー一筋15年で、全店舗の勤務を経験し2012年よりヒルトン梅田店に勤務。
プライベートで続けているランニングの経験を活かして、アスリートランナーのサングラスのサポートや
一般ランナーのランニング時における、より快適な見え方と安定した掛け心地のメガネ・サングラス作りの
お手伝いをさせて頂いております。
その他にも、普段のお客様のライフスタイルとTPOに合わせた眼鏡のスタイル提案と使用シーンに合わせた視力検査と
レンズ提案で、ファッションと快適な眼鏡のレンズも含めたトータルコーディネートをご提案致します。
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