【梅田店】なぜ今べっ甲フレームが再注目されるのか?

2018.08.27

こんにちは。

ヒルトン梅田店の藤園です。

グラスファクトリーでも様々なバリエーションを展開しているべっ甲フレーム

そのべっ甲について少し掘り下げてみようと思います。

日本で初めての眼鏡はべっ甲?

ここ日本では、そもそも初めての眼鏡がべっ甲で作られた物でした。

そして日本で初めて眼鏡を掛けたのが徳川家康だと言われています。
そのメガネがべっ甲で作られた物でした。

それ以前にも、フランシスコ・ザビエルによって大名の大内義隆に献上された・・とか
室町幕府の第12代将軍の足利義晴が所持していた・・・とか諸説ありますが
実際に愛用していたのは、徳川家康が最初と言われており
これもやはり、時の権力者であった家康への献上品の中に含まれていたようで
それがべっ甲で作られた物だったのです。

献上品に含まれていたという事からも、当時からべっ甲がとても高価な物であったことは容易に想像できますね。

家康が愛用していたのは、耳に掛けるタイプとは違い、手で持って使うタイプの「目器」と呼ばれるもので
今で言うところの、拡大鏡やルーペのような使い方をしていたのではないか?と思われます。
こちらは現在でも静岡県の久野山東照宮に、重要文化財として納められています。

べっ甲って何から出来ているの?

「べっ甲」ですが、大体の人が「カメの甲羅でしょ?」くらいには知っていると思いますが
製品として作られる所謂「べっ甲細工」に使用されるのは
ウミガメの一種で、「玳瑁(タイマイ)」と呼ばれるカメの甲羅を使用して作られます。


インド洋や大西洋、カリブ海などに生息する玳瑁(タイマイ)、甲羅の配列と尖ったくちばしが特徴的で英名では「Hawksbill turtle(鷹のくちばし)」と呼ばれています。

ほんとに鷹のような精悍な顔つきで、大きく発達した前足を鷹の翼のようにゆったりと動かし海中を優雅に泳いでいます。

タイマイの甲羅は背甲の配列が決まっています。
1~13の本甲と14のバサツメ、バサツメの中でも尻尾の4枚を本ツメと呼ばれており、本甲が所謂「べっ甲柄」と言われる斑(黒褐色の紋様)がはいいている部分です。

茨甲(バラ甲)と言われ、黒い斑の部分が多いものと・・・


黒い部分が少なく黄色い透明感のある部分が多いものがあり、一般的に黄色い部分が多いほど素材的に高価とされています。

べっ甲は一枚一枚が非常に薄いため、張り合わせて厚みを出し「板」を作ってから成形していくのですが、この時に貼り合わせる複数枚のべっ甲のそれぞれの斑が透明感のある部分に重なってしまうと綺麗な斑紋様がでません。

なので、べっ甲職人はどの部分をどう張り合わせるかをイメージして必要な部分を切り出していきます。この工程でも熟練の職人と経験の浅い職人とでは差が出るようで、その仕上がりにも違いが出ます。

そして「貼り合わせ」の工程も熟練の職人は接着剤を使いません。

べっ甲は「爪」のような物質で、水に浸したべっ甲を熱した鉄板で挟み万力で圧縮することでゼラチン質の膠(にかわ)が染み出し、この膠が接着剤となってべっ甲同士が張り合わせられます。
熟練の職人は経験に裏打ちされた「感」で、素材の個体差、作業時の季節、工房の室温や湿度、万力での締め加減を瞬時に判断し、流れるような作業で境目が分からないようにべっ甲を貼り合わせていきます。

この工程がべっ甲細工の中で最も重要で難しく、大抵の場合10年前後の修業が必要なため、経験の浅い若い修行中の職人は接着剤を使わないと張り合わせることが出来ないと言われています。

これは、べっ甲のメガネが高価な理由が頷けますね。

べっ甲が高価な理由がもう一つの理由

元々、素材自体が高値で取引されていた上に、1973年のワシントン条約採択後、1993年からは輸出入が一切禁止されてしまいました。

それからの20年以上もの間、それまでに輸入されていたべっ甲を全国の職人で分け合って使っているのが現状で、材料が底をつき始め、希少価値が上がり、その結果、製品の価格も更に高騰していっており、これはこの先更に高騰していくと言われています。

日本の素晴らしい伝統工芸の存続のために近年、石垣島で養殖の研究も進められていますが、材料として安定供給できるようになるにはまだ10年程度かかる見込みとの事。

ただ、この困難な状況下の中で、素材を大切に使用するために各職人は一度使用した鼈甲素材の端材を残し、細かな部分の素材に使用したり、べっ甲メガネの修理に使用したりしていく中で、新たな技術的な革新も進んでいます。

そして、昨今のクラシックテイストのメガネブームも手伝って、激減の一途をたどっていた職人も若い修行中の職人が東京の方では増えてきているとも聞きます。

そして、実際にべっ甲フレームを求めてご来店頂けるお客様も年々増えてきております。

若い職人は技術的には熟練の職人には及ばずとも、新しいアイデアをたくさん持っていると言います。

グラスファクトリーでも、兼ねてからべっ甲職人と色んなアイデアをぶつけ合い、試行錯誤を経て、なこれまでになかったアプローチの鼈甲フレームを発表してきました。

 GLASS FACTORY natural collection GF6028 WOODxべっ甲 C-YELLOW ¥ 194,400 税込

べっ甲以外の様々な自然素材への造詣も深い「中村甲芸」の熟練のべっ甲職人。その豊富な知識と、数えきれない人のオーダーフレームを手掛けてきた、確かな経験に裏打ちされた超一級の職人技により、木とべっ甲という全く異なる二つの素材を融合しました。テンプルのベースとなるウッド部分は様々な特殊染料を調合し、染色・乾燥の工程を約2~3週間かけて7~8回繰り返すことにより木ならではの木目は残しつつ、鮮やかなイエローに染め上げています。その上にメガネの最高級素材ともいわれるべっ甲を薄く貼り合わせると、透明感と艶感溢れるべっ甲の班模様から木の美しい木目が透けて見えます。

 

各素材の特性を知り尽くした上で、非常に繊細で難易度の高い技術力が必要なこの「異素材の融合」は、日本はもとより世界的にも類を見ない「中村甲芸」独自の技法です。さらに完成後はフィッティングが出来ないWOODフレームも、眼鏡を知り尽くした職人の手から造りだされるテンプルは、絶妙な厚みの変化と柔らかな曲線が掛ける人の顔や頭を優しく包み込み、極上のフィット感が生まれます。数えきれないほどの人のオーダー眼鏡を造り続けてきた職人の手に染み込んだ、その研ぎ澄まされた感覚をもってしか成すことの出来ないフィット感は、優しく肌に吸い付くような安定感と掛けていることを忘れてしまいそうな軽い掛け心地です。

GLASS FACTORY NATURAL COLLECTION(グラスファクトリーナチュラルコレクション)の繊細な質感やフィット感は、どうしても画像だけでは伝わりにくい点もあります。
是非、ご来店頂き、実際に掛けてみる事をおススメ致します。

 


グラスファクトリーの視力測定では『ドイツ式世界最先端の両眼視機能検査』で
「快適で楽に見え負担が少ない」メガネを作る為に測定には約1時間のお時間を頂戴しております。
下記のバナーから来店予約頂けますとお待たせする事なくスムーズにご案内することが出来ます。

ZEISSオーダーメイドレンズが出来るまで(来店からの流れ)

世界最先端の『両眼視機能検査方法』について


Staff Profile
藤園 沙恵(Hujisono Sae)

グラスファクトリーでは、グローバル基準のドイツ式MCH検査(両眼視機能検査)を実施いたしております。
グラスファクトリー各店で、MCH(両眼視機能検査)のご予約をお受付いたしております。
※MCH(両眼視機能検査)の測定には約1時間のお時間が掛かりますので、ご予約優先となりますので予めご了承くださいませ。

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